CIVARIZE☓海<vistlip>コラボの全貌を公開!! 海ロングインタビュー

CIVARIZE☓海<vistlip>コラボの全貌を公開!! 海ロングインタビュー

更新日:2020年07月07日 |Interview


アパレルブランド「CIVARIZE」と海<vistlip>とのスペシャルコラボレーションから新たなブランド『Goat』が誕生。現在発売中のStuppy漆黒EditionでもCIVARIZEと海のコラボフォトセッションが掲載されていますが、今回はStuppy web独占で海のパーソナルインタビューを掲載します。『Goat』のこだわりについて海がアツく語ります

ファッションの目覚め

ブラックカルチャーのファッションに対する憧れ

――この度、vistlip 海さんが監修を務めた新ブランド『Goat』が誕生。1st COLLECTIONの受注販売が決定しました。今日は海さんとファッションについてお伺いしたいと思います。まずは海さんが洋服に興味を持ち始めたのはいつ頃からですか?

「小学生3年、4年の頃ですね。キッカケはHIDEさん(X Japan)です」

――かなり早熟ですね。

「その頃の僕はぽっちゃり体型だったんですが、HIDEさんの存在を知ってダイエットをしようと思ったんです」

――HIDEさんも子どもの頃はぽっちゃり体型で、海外のロックスターに憧れるようになってダイエットをしたんですよね。そこに海さんも共感したんですか?

「いえ、そのことは後で知ったんですが、ダイエットしたキッカケはHIDEさんと同じですね」

――HIDEさんのファッションのどこに海少年は惹かれたんでしょうか?

「初めはコワイというか、“なんなんだこの格好は”って、むしろ嫌悪感さえあったんですが、HIDEさんがテレビに出演をしているのを見ているうちに、現実ぽくないっていうか、2次元ぽいなと感じるようになったんです」

――確かに異次元の存在のようでした。

「小学生のころは、アニメやゲームに夢中だったので、そんな2次元ぽく感じたHIDEさんの世界に入りやすかったんですね」

――なるほど。

「その頃はゲームやアニメのキャラクターのコスプレが、それほど一般的ではなかったので、HIDEさんの存在は特殊なものに感じたんです。その頃の自分は今と違って、みんなが持っているものがほしかったし、みんなと同じでないと不安だったし、右に習えはするものだと思っていました。でもHIDEさんの存在で、その価値観を壊されました。それから、こんな服を着てみたい、こんなシューズを履きたいとか、ファッションについて気にするようになりました」

――そのHIDEさんに目覚める前はどんな服を着ていたのですか?

「まず、短パンは履きたくなくて、デニムに興味がでてきて。親からはよくポロシャツを買い与えられていたんです。それがすごく嫌でした」

――小学生でポロシャツを着ている子はそんなには多くないですよね。

「多分、親は僕が上品に育つように、ポロシャツを買い与えていたんじゃないですかね。まぁ、そうはなりませんでしたけど(笑)」

――いえ、いえ。

「でも、その反動なのか、成長するにしたがって、悪そうなファッショに興味を持つようになって。当時バスケをやっていたのでバスケやHip hopのファッションにはすごく影響を受けました。ですから今でも、ブラックカルチャーのファッションに対する憧れは大きいです」

 

自分がカッコイイと思うことを信じていれば、リスナーは新しい変化にも対応できる

――そして、バンドを始めるようになって、最初に立てたファッションコンセプトは?

「vistlipを始めた頃(2000年代)のヴィジュアル系は、いわゆる“オシャレ系”のバンドが流行っていたんです。色使いもやたらカラフルで、そういった衣装を着ないとヴィジュアル系じゃないみたいな風潮でした。でも、僕がHIDEさんを知ったときに感じた “なんなんだこれ?”みたいな驚きがなくなっているように感じたんです。ですから、vistlipを始めたときに、周りのバンドがやっているようなイメージは一切取り入れないで衣装を作ろうと。ただ、ただ自分たちがカッコイイと思うものだけを取り入れよう思ったんです」

――具体的には?

「みんなカラフルで派手だから、逆に黒を貴重にしようかと。黒、白、赤だけを使って、シルエットもスタイリッシュになるようにしました。それが最初の『Revolver』(2008年4月23日発売のファーストミニアルバム)の衣装。でも、周りからはメチャクチャ言われました。“そんな見た目じゃあ、誰の目にも止まらないよ”って」

――それを聞いてどう思いましたか?

「気にしませんでした。みんな流行りを気にして、同じようにしたがる傾向があるのかもしれませんが、自分がHIDEさんに憧れたように、自分がカッコイイと思うことを信じていれば、受け取る側(リスナー)は、新しい変化にも対応できるんじゃないかなと」

 

『Goat』1st COLLECTIONについて

“よくわかんねーな”っていうネーミングにしたかった

――送り手のアーティストのほうがときに保守的だということですね。そして、この度『Goat』というブランドが立ち上がりました。これまでの経緯を聞かせてください。

「以前からCIVARIZEのスタッフさんとは面識があったんですが、今回のStuppy(Stuppy漆黒Edition4月28日発売)でのコラボのお話をいただいたときに、改めてCIVARIZEさんのラインナップを見ていて、今の自分が着るものとは少し違うように感じたんです。そこで、今僕がデザインしたいものをCIVARIZEさんのなかで、どこまでやったらいいのかを考えたんです」

――なるほど。

「僕は服飾の知識が多少あるので、やろうと思えばデザインから、縫製まで自分で作ることも可能だとは思います。ただコラボするのであれば、僕とCIVARIZE、お互いフィフティ・フィフティの要素がないとあまり意味が感じられないということをCIVARIZEさんにお話したんです。何か一つの商品を作るとなるとどちらの色も少し抑えたものに落ち着いてしまうかどちらかの色が強く出過ぎた物になりそうだなと。どちらにしても今回の誌面やカタログで着させて頂いたCIVARIZEの商品と一緒に並ぶ物としてはすごい違和感を感じた物になりそうだし色々な事を気にして不自由になるのは嫌だし勿体無いと思って。そこで無理を承知でコラボで商品を作るのではなくCIVARIZEではないブランド、コレクションみたいな形を一緒に作れないかと提案したら“一緒に新しいブランドを立ち上げましょう”と言ってくれて、今回『Goat』が立ち上がることになりました」

――実際の作業はどういったふうに進んでいったのですか?

「まず僕がラフスケッチを描き、素材感やシルエットなど大まかなイメージを伝えます。それからCIVARIZEさんから、具体的な素材の選定やサイジング含めたモノづくりの部分での提案をしていただいて、サンプルを制作します。上がってきたサンプルは社内のスタッフさんにも着てもらって、意見を聞きながら進めました」

――『Goat』のネーミングの意味は?

「“Greatest of all time”の略。バスケやサッカーでよく使われるスラングで“史上最高”といった意味です。じつはCIVARIZEのスタッフの方と仲良くなったキッカケがスポーツの話題だったんです」

――ファッションの話題ではなく?

「そうなんです(笑)。それもあって色々どんな名前にするべきか悩んだ末にこのネーミングに決めました。また、vistlipという名前をつけたときもそうだったんですが、バンド名を聞いただけでは、どんな音楽をやっているのか、わからないようにしたかったんです。ですから、今回もネーミングだけでは服のイメージが想像つかないようなネーミングにしたかったんです」

――それはどうしてですか?

「ネーミングの先入観だけで、自分たちのやっていることを誤解されたくなかったんです。名前だけで特定のイメージがついてしまうのはもったいない。それにトレンドのメインストリームが変わったときに、ネーミングが足を引っ張って、変化に対応できなかったりしますから。だから“よくわかんねーな”ってものにしたかったんです。響きや語感も強過ぎず弱過ぎず、ストリートでも少しドレッシーな感じにも合うだろうなと。そもそも『Goat』は直訳すると“ヤギ”ですからね。それも一瞬意味がわからなくていいかなと」

――ブランドコンセプトはありますか?

「今回の1stCOLLECTIONのテーマは“黒”ですね。最近個人的に黒の物を着る事が前より増えてきていたのもあって。黒地に黒のプリント、黒地に黒の刺繍であったり、とにかく黒推しでいきたいなと。黒いパーカーには自分の好きな色のスニーカー、パンツやスカートを合わせてもらったり、黒のジャージのセットアップのインナーや、カットソーのアウターにしても黒なら幅広く色を合わせやすいかなと思って。そんなこともあってCIVARIZEのデレクターさんとも今回は黒で行きましょうと話をしました」

今回は僕自身が今、使えるもの、着たいものを作らせてもらった

 

――それでは、いくつか今回のラインナップについて聞かせてください。まずセットアップのジャージ。

「運動着にしたくなかったんです。セットアップのジャージは好きで普段もよく着ていますが、ただスポーティーで、動きやすいだけのものにはしたくなくて、素材にこだわりました。シルエットもストリートに寄りすぎず、キレイになりすぎずというところを狙いました。セットアップって一歩間違えるとチンピラっぽく見えてしまうから、上品な黒であり、かつストリート感も出したかったんです」

 

 

 


――この差し色の赤は?

「モチーフになにを使おうかなと思ったときに、僕はデザインによく植物を使っているんです。その中でも好きなモチーフだけどvistlipでは薔薇ってあまり乱用出来ないなって思っていて、そんなことから薔薇を使おうと思ったんです。最初は黒い薔薇にしようかと思ったんですが、実際、スケッチを描いていて、ボディーに当ててみたら、これぐらいの小さいサイズ感であれば、黒よりも赤の方がアクセントになってカワイイし、女の子も着やすいかなと。ただ、薔薇のイメージって一歩間違えると耽美になりすぎるというか、ヴィジュアル系ぽくなってしまいますよね。そうならないように薔薇のサイズ感にはすごくこだわりました」

――黒のシャツに薔薇のヴァージョンもありますよね。

「これが最初にデザイン画を描いたものです。ジャージと並行して製作していたんですが、前面にドーンとプリントがあるものの黒に黒だからそこ迄主張し過ぎていないと思うので、他のものとのコーデを考えたときに、合わせやすいと思います」

――パーカーのデザインに関してはどうですか?

「パーカーなので、ゆったりは着られますが、これもルーズになりすぎないように、シルエットの選定には時間をかけました。また、ワルそうな感じになりすぎないようにデザインしました(笑)」

 

――今回のラインナップの素材でこだわったものは?

「ジャージですかね。セットアップだと、なにより着心地が大事だと思うんです。本当は実物を見ていただきたいんですが、ジャージ素材ではあるんですが、すごく質が高い。良い生地を使っているので着心地がすごく良いんです。あとはカットソー。これだけ分厚いしっかりした生地の物ってなかなか無いと思います。コストかかるし普通はあまりやらない」

――今後、展開して行きたいことはありますか?

「やれるならばスニーカーを作りたいですね」

――それもぜひ実現してください。

「今回は僕自身が今、使えるもの、着たいものを作らせてもらいました。また今回は実現しなかったアイディアもあるので、それらもまた作れたらよいなとは思います」

――まだ、まだアイディアは尽きなさそうですね。最後にメッセージをお願いします。

「今回は現物を展示して予約販売というかたちにはなりませんでしたが、実物を手にしていただければ、納得はしていただけると思います。みんなの持っているインナー、アウターやアクセサリとも合わせやすいものを作ったつもりでいるので、自分のものと合わせて着こなして欲しいですね。一見合わせるのが難しそうなものでも割と何にでも合うので。何よりコラボだからというよりデザインを気に入ってもらえる方に着て欲しいです。満足してもらえると思います」

カメラ:菅沼 剛弘 Takehiro Suganuma
ヘアメイク:石切山 香織 Kaori Ishikiriyama
インタビュー:ぽっくん

Goat インフォメーション

●オフィシャルサイト

https://civarize.jp/portal/goat.html

●ZOZOTOWN

http://zozo.jp/search/?p_tpcsid=1228535